ソーシャルスペースをデザインする

CLOUアーキテクツは、3冊目となる書籍『Social Space』のリリースを発表した。500ページを超えるプロジェクトの歴史が記されたこの本は、社会の変化、新しいライフスタイルや技術革新に直面しながらも建築の限界を押し広げ、ソーシャルスペースをデザインするというCLOUの思考と実践、そしてその不変の使命を示している。本書はチーム、スタジオ、カレンダー、ワークの4つの章に分かれており、CLOUの哲学の発展を紹介している。

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Photo credit: CLOU architects

ソーシャルスペースは人々が集い、コミュニケーションを図る場であり、特に商業空間の公共性を高め、都市の活力を再生させるために重要な役割を担っている。現在、電子商取引が高度化し、消費者の利便性は向上したが、人が直接出会う場は決して置き換えることはできない。パンデミック以降の社会的制約の中で人々の交流欲求が高まり、公共の社会空間の重要性が見直されており、CLOUも社会空間の設計と活用が今後の商業ビルの活性化の鍵になると考えている。2020年から2022年初頭にかけて、CLOUは小売、レジャー、大規模複合施設、コミュニティハブなど、現在世界で最も活気のある場所のための作品群を進化させる、最先端のプロジェクトを次々と完成させた。

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Photo credit: CLOU architects

成都の「Unifun Tianfu」では、ピクセル化されたキューブがオンラインとオフラインでアニメーションするファサードで新境地を開拓。蕪湖の「Starry Street」では、仕事・生活・レジャースペースの新しい空間コンビネーションが導入されている。武漢の「Paradise Walk Jiangchen」では建築・ファサード・インテリアが一体となり、コミュニティと顧客の心に響くような魅力あるストーリーが展開する総合デザインが実現された。北京では、長安街にある旧LGタワーを現代的にリノベーションした「北京匯景大厦」が春に完成し、朝陽の「キャピタルアンドワンジン」、順義の「R&F高麗」、方山「CIFIハウス」は2023年に開業予定であることを発表している。

これらのプロジェクトは、コンセプト、現場、完成のいずれにおいても、「ソーシャルコマーシャル」哲学を体現し、人々を主役とした、より良い公共の出会いと真の集団的アイデンティティのための環境を創造する、アクティブでソーシャルなプロジェクトを意味している。

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Photo credit: CLOU architects

CLOUについて

CLOUはマスタープラン、建築、インテリア、ランドスケープに精通し、数々の賞を受賞している国際的なデザインスタジオ。コミュニティのコネクターとソーシャルスペースに焦点を当て、様々なスケールのプロジェクトをデザインしている。中国や世界各国から集まった65名以上の経験豊かな建築家が、想像力に富み、協力し合いながらさまざまなプロジェクトに楽しく取り組んでいる。プロジェクトに関わる人々、身近な環境、そこに住む人々に良い影響を与えるようなプロジェクト作りを心がけている。

『Social Space』書籍概要

著者CLOU architects
製本ソフトカバー
サイズ180mmx250mm
言語中国語、英語
ページ数510