建築デザインソフト

コンピューターやロボットに自動学習機能が搭載されることがさほど不思議ではなくなり、人体にもそれを適応する技術は可能だとされている。世代ごとにコンピューター技術が人間に近づいてはいるが、まだまだ人間が近寄らなければならない距離はある。今回は学生に限らず、興味がある人は必ず目をギラギラさせながら聞いてくる設計においてよく使うプログラムソフト(ソフトウェア)の質問。

まだ誰でも簡単にという時代には到達していないが、これらのプログラムを習得していけば誰でも飛躍的に面白いデザインを作り出すことができる。これらはツールであり、人によってそのプログラムの感覚に向き不向きがある。論理的に組み立てることによって莫大の計算処理をしてくれるものから、モニター上で子供が粘土をこねるような感覚のものまで様々である。

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REVIT

会社:AutoDesk

タイプ:BIM

AutoDeskが開発したBIMとして最も精巧にできているプログラム。

アメリカでは恐らくほとんどの設計事務所が採用しているソフトであり、リーマンショックのときにAutoCADを使っていた所員をRevitが使えるものに雇用しなおしたという時代背景を含む。モデルから2D図面を短時間で書き出しすることができ施工段階になると威力を発揮する。


DIGITAL PROJECT

会社:Gehry Technologies

タイプ: BIM、モデリングソフト

Gehry Technologiesが飛行機設計用に使われるCATIAを建築用に書き換えたソフト。パラメトリックデザインに優れている。Excelとの相関性が強い。SOM、ZAHA、Arup、Gehry等の事務所で使われ始めたもの。曲面の設計はREVITよりも細かい表現があり、二次曲面か一次曲面かどうかというのを常に確認しながらモデリングができる。


Rhinoceros

会社:Robert McNeel & Associates

タイプ:BIM、モデリングソフト

言語:Rhino(VBScript)、Python

AutoDeskに吸収されずに時代の流れに柔軟に対応してきた会社。他のソフトとを連動させるプラグイン機能にいち早く目をつけたプログラム構成となっている。また、パラメトリックデザインをスクリプトを介さずにデザインできるGrasshopperをプラグインソフトとして開発した。モデリングソフトでありながらBIMとしても成立しえるプログラムでありファイルのInsertやWorksessionコマンドによってお互いの作業を連動することができる。我々の事務所では必須ソフトであり、コンサルタントもこれでやり取りができる事務所と組んで進んでいる。

スクリプトも充実している。


Grass Hopper

会社:Robert McNeel & Associates

タイプ:Plugin for Rhino

ファサードの収まりや単純作業を何度も繰り返すようなものはもともとスクリプトでしか威力を発揮しなかった。が、Zaha事務所が唱えるパラメトリック理論の流れを汲み取りこのプラグインは別で開発された。スクリプト言語を学ばずにより容易にParametric Designができるようになった。


MAYA

会社:AutoDesk (Alias Systems Corporation)

タイプ:モデリングソフト

言語:C++, MEL(Maya Embedded Language), Python, C#

アニメーションが始まりで、Disneyとの共同開発が行われたプログラム。2005年にAutodeskに買収され3DSMaxとの終戦に見えたがユーザーはまだ根強い。モデリングプログラムとしての自由度が恐らく最も高く、コンペでスピードと作家性の威力を発揮する。数値を打ち込んでの作業よりも、粘土のように動かしていく右脳系のモデリングソフトである。曲面に強い建築事務所の多くはこのプログラムを使用している。Rhinoとの往復をすることで建築化していく。


3DSMax

会社:AutoDesk

タイプ:モデリングソフト

言語:C++、MAXScript

MAYAとの違いは何かといわれ続けているソフトであり、実に似ているプログラムである。3DSMaxの方が素早くモデリングできるものもあれば、逆も然り。お互いの特性を有効に使えるとよい。また、レンダリング機能が高く、多くのレンダリング会社がこのソフトを使っている。


SketchUp

会社:Trimble Inc (Google)

タイプ:モデリングソフト

小学生でも3Dのモデリングができる簡単なモデリングソフト。曲面的なモデリングは向いてないが、直線的なモデルの場合は素早い。GoogleEarthやGoogleMapに出てくる3Dはこれらを介してモデリングされている。


ECOTECT

会社:AutoDesk

タイプ: 解析ソフト

光と風の軌跡が解析できるプログラム。特定の時間と場所にどれぐらいの光の量があるか、年間の光量の測定等ができるソフト。他のプログラムでモデリングしたものをOBJでインポートすればどんなプログラムにも付属として使用することができる。2008年にAutodeskに買収され、2015年にRevitのプログラムの一部になった。


KEYSHOT

会社:Luxion

タイプ: レンダリングソフト

レンダリングソフトであり、もともとはプロダクト用のもの。設定をシンプルにし素早くレンダリングが出来上がるもの。簡単なアニメーション機能もついていて結果がどのソフトよりも素早く出る。RhinoやMayaとの相関性も強い。Keyshotで設定をした後に再度Rhino等でモデルを修正してKeyshotを更新することができる(従来は修正する度に設定しなおさなければならなかった)。


MAXWELL

会社:Next Limit Technologies

タイプ:レンダリングソフト

レンダリングソフトであり、光の性質を科学的な側面からプログラミングし、現実に近いレンダリングが出来上がる。が、一次中断し、再度レンダリングを再会することも可能。別のパソコンでレンダリングを再会させることも可能。


TILT BRUSH

会社:Google

タイプ:モデリングソフト

VR空間の中で体を動かしながら1:1のモデリングをするもの。マウスもそろそろ限界か… 


寝ているときにみている夢の空間や体験を読み込むソフトはまだか…