プラハ ホレショビッツェ建設予定の現代音楽センター
ヴルタヴァ・フィルハーモニック・ホールの設計に関する国際建築コンペティションのグランプリとして、ビャルケ・インゲルスとブライアン・ヤンが率いるデンマークのスタジオ、ビャルケ・インゲルス・グループ(BIG)のチームに決定したことが、プラハ市とその計画開発研究所(IPR Prague)が建築・都市計画センター(CAMP)で開催されたガラ・ナイトで発表された。
受賞作品となる現代音楽センターは建物そのものだけでなく、公共スペースに想像力豊かなソリューションをもたらす。川岸を利用しやすく、屋上を含むフィルハーモニック・ホールの屋外テラスを誰にでも開放することを想定している。ヴルタヴァ・フィルハーモニック・ホールはクラシック音楽ファンだけでなく、一般の人々もからも愛されることを目指し、BIGスタジオは3つのホールを設計した。プラハ市立図書館のクリエイティブ・ハブを併設し、カフェや屋上レストラン、そして多くの人が教育活動の場として利用できるような施設にすることが期待されている。屋根は広場のパブリックスペースと一続きで階段で上まで登ることができ、誰もがプラハ全体を見渡すユニークなパノラマビューを楽しむことができるようになる。
設計者はヴルタヴァ川の源流であるシュマヴァに着目し、ここで建築に使用される木材を調達した。木製の天井はヴルタヴァ・フィルハーモニック・ホールのテーマである周囲への開放性を象徴的に表現するため、外観から内部まで貫通したデザインに。また、チェコらしい要素として、建物のファサードにガラスを採用したことも重要だと考えている。
このヴルタヴァ・フィルハーモニック・ホールの建設は、プラハで最も重要な土地のひとつであるブブニ・ザートリ地区の再開発に貢献するもので、最終的には1万1000戸のアパートメントに2万5000人の住民が住む見込みで、建設工事は2027年に開始され、新コンサートホールは10年後の2032年に完成する予定となっている。
ビャルケ・インゲルス・グループについて
コペンハーゲン、ロンドン、ニューヨーク、バルセロナ、深センにオフィスを構え、受賞歴のある建築スタジオ、ビャルケ・インゲルス・グループは、建築家、デザイナー、エンジニア、そして建築、都市計画、研究、建築開発の分野で働く理論家などのプロフェッショナルを擁している。2005年にデンマーク人建築家ビャルケ・インゲルスの指揮のもとコペンハーゲンに設立されたBIGのデザインは、先駆的な技術を用いたユニークなものが多く、アマガー・バッケのように従来の慣習や寸法に反したものがよく目立つ。コペンハーゲンにあるスキー場にもなる最新鋭のゴミ焼却炉「アマガー・バッケ」、デンマークのビルンドにある有名な建築セットのブロックを模した「レゴハウス」、フランスのボルドーにある「メカ(ヌーベル・アキテーヌ経済文化都市)」などはその一例である。