フランス マルセイユの観光レジデンスと宿泊施設
ピエトリ・アーキテクツが手掛けたフランス・マルセイユの観光住宅兼宿泊施設「ラ・ポルト・ブルー」はZACユーロメディテラネの全体的な開発事業の中心にある。4つの異なる建物(オフィス、住宅、店舗)からなる不動産の一部で、港、道路、都市をつなぐ場所であり、マルセイユの玄関口のひとつを体現している。塔のファサードを構成する414の白いコンクリートの丸天井は、樹木のようなデザインを与え、繊細な建築詩の中で地中海への眺望を開いている。
アランクの波止場 街の新たな活力
「ラ・ポルト・ブルー」は4つ星の観光レジデンスを提供することで、観光宿泊施設グループの新たな象徴としてオダリスに属し、新たな地区のダイナミズムの一端を担っている。このタワーは、住宅購入者向けの住宅も提供しており、1階には小売店もある。メインボリュームから突き出た独立レストランは、3つのガラスファサードと植栽された屋根で、このインテリアに活気を与える。
エレガンスとテクニックのバランス
このプロジェクトのファサードは、互いに寄り添い合う多数の吹き抜けで構成されている。丸天井は、マルセイユ近郊の町オーバーニュで成形された環境負荷の少ないコンクリートを選び、厳しい仕様を満たす必要があった。このコンクリートの装飾は、塔に樹木のような独特のデザインを与え、それがランドマークとなり、この作品の真の特徴となっている。丸みを帯びた丸天井の形は、それぞれの内部空間からのカーブを通して、柔らかく特異な方法で景観を縁取る。
低炭素コンクリートと海洋地熱エネルギー
ピエトリ・アーキテクツとアトリエ・マッセ(構造・ファサード設計事務所)は、このプロジェクトの象徴的なファサードを開発。414の吹き抜けは厚さ90cmのY字型モジュールで構成され、打設された梁やスラブと鍵で結ばれている。また「タサリア」設備にも接続されており、海洋地熱を利用した冷暖房が可能である。
ピエトリ・アーキテクツ
マルセイユ出身でパリ・ベルヴィル建築学校を卒業したジャン=バティスト・ピエトリは、30年前にパリに定住し、2001年に建築スタジオを設立。事務所代表のジェレミー・ルエットをはじめ、マリーヌ・ドゥ・シャトーヌフ、ゾエ・レイノー、サラ・ルルーら4人のパートナーに恵まれる。現在20人のチームは、パリ11区を拠点とし、フランス全土で建築を手がける。独自のスタイルを展開しながらも、建築のコンテクストに適応する建築的ボキャブラリーの多様性を証明している、そのプロジェクトは一戸建てからオフィスタワーまで、またウォーターフロントの高級ホテルやインテリアデザインへの明確な関心など、公共・民間を問わず多様なプログラムをカバーしている。