公民権運動の指導者へのオマージュ
ikon.5 architectsがニューヨーク市立大学(CUNY)のメドガー・エヴァーズ・カレッジのベッドフォード・ビルディングにあった既存のロビーを、活気あふれる新しい学生コモンズに生まれ変わらせた。毎日何百人もの学生や訪問者を迎える明るくダイナミックな新ゲートウェイは、社交や学術的な交流の機会を提供する多機能スペースとなっている。カレッジの名前は人間の自由と万人の尊厳の追求に生涯を捧げた著名な公民権運動家メドガー・エヴァーズに由来しており、そこからインスピレーションを得たコモンズは、彼の生涯と功績を称える高揚感を与える環境グラフィックと、壁画で飾られている。コモンズは、勇気、力強さ、不屈の精神といったエバースの特徴をアピールすることで、生徒たちに高潔で道義にかなった生き方を促すとともに、エバースの遺産を物理的に思い起こさせる役割を果たしている。
壁や調度品には鮮やかな黄色のポップな色を使い、温かみと視覚的な面白さを加えている。コモンズの東側にあった特大の階段は、安全上の問題を解消し、アトリウムエリアの眺望を向上させるために移設・再構築され、より使いやすく開放的な空間となった。北側の入口ドアも移設して面積を拡大し、ガラス張りの入口壁とドアはすべてADAアクセシビリティ基準に適合するよう改良された。また、コモンズには新しいテラゾー床、セキュリティーデスク、デジタルメディアスクリーン、大ぶりな照明が設置され、利用者の利便性が向上した。この改修工事を経て、同校は居心地の良く表現力豊かで多目的な空間を手に入れた。学生たちに寄り添い刺激することに役立てている。
- Photo credit: James Ewing
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ikon.5 architects
2003年にニューヨーク州ニューヨークで設立。米国建築家協会の機関誌「Architect」の「Arch 50」プログラムにおいて、米国でトップ10に入る設計事務所として評価されている。さらに、2014年と2019年には、クーパー・ヒューイット、スミソニアン博物館ナショナル・デザイン・アワードにノミネートされ、アメリカ建築家協会、シカゴ・アテネウム、アーキタイザー、アメリカ登録建築家協会から、国際、国内、州のデザイン賞を多数受賞している。