資金調達を後押ししたビジュアライゼーション

ダブル・ジャック・デザイン・ワークショップがアメリカ・ミネソタ州セントポールのウェスト第7地区に新規に計画している「リトル・モッド(The Little Mod)」と名付けられたプロジェクトは、都市型インフィル開発で上下2階を階段で結ぶデュープレックスである。1戸につき6つのベッドルームとバスルームがあり、合計12室のスイートルームを備えている。

adf-web-magazine-st-pauls-little-mod-1

Photo credit: Rendering by NOMINN

周囲の環境と競うのではなく、補完することを意図して北欧の美学に倣い木と大判パネルという2つのシンプルな素材を使い、建物は南向きで、大きな開口部から自然光を十分に取り入れ、冬はパッシブ暖房を採用している。2方向に16フィート(約5メートル)の勾配変化、地表近くの岩盤、建築可能な土地の狭さなど、さまざまな課題に直面しながらも、敷地への影響を最小限に抑えたシンプルな建築を目指した。

adf-web-magazine-st-pauls-little-mod-4

Photo credit: Rendering by NOMINN

adf-web-magazine-st-pauls-little-mod-2

Photo credit: Rendering by NOMINN

本プロジェクトでは、高性能な建物外壁とインテリジェントな機械システムを組み合わせたゼロ・エネルギー・ビルを目指している。プロジェクトの窓やドアの品質はさることながら、エネルギーモデルは建物外壁の全体的なデザインに大きな役割を果たす。住宅の年間エネルギー使用量を上回るエネルギーを生産することを目標にしている。

adf-web-magazine-st-pauls-little-mod-3

Photo credit: Rendering by NOMINN

2024年初頭、ダブル・ジャックは資金を確保し助成金を得るプロポーザルを勝ち取り、市の承認を確保すればプロジェクトをゴールラインに乗せられるという算段をつけ、そのために外観レンダリングを作成する必要があった。ビジュアライゼーション・スタジオであるNOMINNはこの創造的な挑戦を受け入れ、それぞれが芸術作品として独立できるような、一連の見事なレンダリングを制作した。その結果、州全体のアフォーダブル・ハウジング・エイド、2023年HRA賦課金、アメリカン・レスキュー・プラン法の資金など、多額の資金を確保した。着工は2024年後半を予定している。本プロジェクトのレンダリングはアーキタイザーA+アワードの建築+モデル&レンダリング部門で審査員選出賞を獲得した。

ダブル・ジャック・デザイン・ワークショップ

本スタジオには建築家やデザイナーだけでなく、クラフトマンやメーカーも参加し、「ハンズオン」の建築家としてフットワーク軽く活動。現場視察や対面でのディスカッションを重視し、アイデアを出し合い、デザイン目標を設定。設計から完成までプロジェクトを通し、クライアントの満足度を高めている。

NOMINN

ミネアポリスに拠点を置くビジュアライゼーション・スタジオ。建築家やデザイナーのために唯一無二のイメージを創り出すことに重点を置いている。建築、インテリアデザイン、写真撮影の経験に影響され、リアリズムと焦点を絞ったデザイン意図が求められるプロジェクトを得意としている。