メゾンのテキスタイルの伝統とイタリア職人技へのオマージュとしてのファサード

イタリアの老舗テキスタイルメーカー、ロロ・ピアーナの新たな旗艦店が東京・表参道に2026年10月オープンする。ファサードを手がけたのは建築家・青木淳。青木はロロ・ピアーナ・ドバイ店および銀座店のファサードも担当している。

adf-web-magazine-loro-piana-aoki-1

adf-web-magazine-loro-piana-aoki-2

adf-web-magazine-loro-piana-aoki-3

ファサードにはイタリア・トスカーナで特別に制作された1400枚以上のテラコッタタイルが用いられ、ロロ・ピアーナの職人技を体現するデザインとなっている。タイルは複雑な工程を経て手仕事で制作されたもの。焼成・乾燥後にはメゾンを象徴するクンメルカラーを含む7種類の色合いで色付けされ、再び焼成することで鉱物が溶け合い釉薬へと変化し鮮やかな色合いとなる。日本へ輸送されたタイルは手仕事でファサードに組み立てられ完成。制作開始から実に3か月以上がタイル制作に充てられた。

ロロ・ピアーナ表参道店の新たな外装は、メゾンの象徴である『極上のしなやかさ』をそのまま都市の風景に解き放つように、イタリアで特別に焼成したテラコッタを柔らかな曲線状に連ねた、まるで織物の縦糸のようなファサードです。その自然素材のリズムがそっと緞帳のように開くと、そこにはロロ・ピアーナの上質な世界が静かに広がり、通りを歩く人の足を思わず止めさせます。カシミヤの手触りのように繊細でありながら、建築として力強く存在するこの外装は、メゾンが大切にしてきた『本物の素材が生む高揚感』を、これまでにないスケールで表現しています。

青木淳

adf-web-magazine-loro-piana-aoki-4

青木淳によるスケッチ

adf-web-magazine-loro-piana-aoki-5

青木淳によるスケッチ

青木淳

1956年横浜生まれ。1982年に東京大学で修士号を取得。1991年に青木淳建築計画事務所(2020年、ASに改組)を設立。2019年から2024年まで東京藝術大学の教授を務め、現在は京都市立京セラ美術館の館長も務める。2025年、第19回ヴェネチア・ビエンナーレ国際建築展では日本館キュレーターに就任。ロロ・ピアーナ・ドバイ店および銀座店のファサードも設計を手がけた。