風景の中に現代的な建築物をデザインする

建築事務所SAOTAが設計したベルギー・フランダース地方の広大な敷地に建つ住宅は、温かみのある外向的な住環境であると同時に、周囲の環境とも調和した現代建築のオブジェをデザインしたような外観である。マスタープランの主な構成は地下駐車場の上にあるメインハウスと、ホームオフィスを備えた独立したプールパビリオンからなる。adf-web-magazine-satoa-flanders-house-3

邸宅とパビリオンは中庭、池、プールを介してつながっている。外観デザインはソリッドなキューブとガラス張りのヴォイドで構成され、3面を囲む細身のキャノピーが屋外テラスを形成している。また、垂直の柱は彫刻的なスクリーンとしても機能する。ファサードのデザインは内部のレイアウトを表現し、オープンプランではなく、伝統的な部屋を好むクライアントの要望によりセルラー状の空間となっている。外に向かってテラスに、また、内に向かっては天窓のある二重の吹き抜けとなっている。

夏は屋内外のライフスタイルを、冬は吹き抜けを中心とした内向的で居心地の良い環境を育むことで、地域の気候に対応している。テラスや吹き抜けに面して部屋のセルラー状の個性が断片化したり、侵食されたりすることで、流動的な移行を可能にし、庭の片鱗をインテリアの奥へと誘う役目を果たしている。

外壁にはジャッロ・ディストリア産大理石のスラブ、床には砂岩、暖炉にはパネル状のアルカボンド・アルミニウム板が使用され、大きなガラスパネルで仕切られている。建築のディテールの緻密さと素材の有機的な質感のコントラストが本来の美しさを増幅させ、建築物としても静かな住環境としても、この家のデザインのシンプルさと形式的な明快さは自然環境との確かなつながりを感じることができる。

SAOTA

SAOTAはステファン・アントーニ、フィリップ・オルメスダール、グレッグ・トゥルエン、フィリップ・フーシェ、マーク・ブリヴァント、ロクサーヌ・ケイ、ロージェン・ゴードン、ダニ・ライマーズ、ドミニク・ジョージのダイナミックなコンビネーションを原動力とする建築家事務所。SAOTAはデザイン、ドキュメンテーション、プロジェクト遂行への革新的かつ献身的なアプローチにより、世界的に注目されるブランドとなった。世界6大陸でプロジェクトを展開し、世界におけるデザインの位置づけと、多様な市場で建築プロジェクトを実現する方法を明確に理解している。