Dezeenアワード2022 インテリア部門のカテゴリー賞11作品が発表

Dezeenアワード2022のインテリア部門の各カテゴリーの受賞作品が発表されました。受賞作品は、90以上の国々から集まった過去最高件数の5,400を超えるエントリーの中から選ばれた、57のショートリスト作品から選出されました。インテリア部門のカテゴリー賞を受賞した11作品は、2022年11月29日ロンドンで開催されるアワードイベントにて発表される、インテリア部門の最優秀賞をかけて競うことになります。青山デザインフォーラムは、今年もメディアパートナーとして本アワードをサポートしております。

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Hotel and short-stay interior of the year: Downtown LA Proper Hotel by Kelly Wearstler Studio. Photo by The Ingalls

カテゴリー賞 紹介

House interior of the year: Twentieth by Woods + Dangaran

Twentiethは、夫婦と3人の幼い子どもが住む、サンタモニカの3階建ての邸宅です。樹齢10年のオリーブの木がそびえる中庭を囲むようにしてU字型に居住スペースが作られ、中庭の両側にリビングルームが配置される設計です。キッチンとバスルームは白いラインがアクセントのグレーの大理石で仕上げています。中と外の空間の相互作用と、異なるテクスチャーの仕上げのバランスがとれている点が高評価に繋がりました。

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House interior of the year: Twentieth by Woods + Dangaran. Photo by Joe Fletcher

Apartment interior of the year: Shoji Apartment by Proctor and Shaw
Shoji Apartmentは、ロンドンにある29㎡の小さなマンションです。空間はバーチの合板で統一されています。小さな2階スペースは寝室になっており、その周りは障子のような半透明のガラスの引き戸で囲われています。限られたスペースに、居住空間に求められる機能を全て詰め込んだ、画期的なソリューションであると高く評価されました。
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Apartment interior of the year: Shoji Apartment by Proctor and Shaw. Photo by Stale Eriksen

Restaurant and bar interior of the year: Connie-Connie at Copenhagen Contemporary by Tableau and Ari Prasetya
Connie-Connieは、溶接工場の跡地に建てられた国際的なアートセンター「コペンハーゲン・コンテンポラリー・アートギャラリー」の中にある、広さ150㎡のカフェです。全体のデザインはTableauが手掛け、Prasetyaはバーのデザインと構築、そして家具を担当しました。25人のデザイナーによる木の端材からできた椅子などがアート作品のように並ぶ空間は、今日のインテリアデザインに求められる全てのことを体現し、精神的な安らぎを与えるだけでなく地域との繋がりも強めてくれます。
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Restaurant and bar interior of the year: Connie-Connie at Copenhagen Contemporary by Tableau and Ari Prasetya. Photo by Michael Rygaard

Hotel and short-stay interior of the year: Downtown LA Proper Hotel by Kelly Wearstler Studio
高級ブティックホテルチェーンのProper Hotelグループがロサンゼルスのダウンタンに建築した新しいホテル Downtown LA Proper Hotelは、チェックタイルの床、チェックの木目、そして豪華な天井が印象的な1930年代風のインテリアデザインです。カスタムメイドの家具やヴィンテージ家具、そしてアートワークで仕上げることによって、一般的なホテルの格式ばった雰囲気とは一味違う、遊び心のある個性的な空間に仕上がっています。
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Hotel and short-stay interior of the year: Downtown LA Proper Hotel by Kelly Wearstler Studio. Photo by The Ingalls

Large workspace interior of the year: Dyson Global HQ, St James Power Station by M Moser Associates
テクノロジーカンパニー、ダイソンの新しいグローバル本社屋は、R&D、プロトタイプ、デザイン、そしてオペレーションなど様々な部門が交流を図れる統合的な施設としてシンガポールにオープンしました。気軽にミーティングが行える劇場のような階段状のミーティングスペースや、彫刻のような美しい螺旋階段のホールが特徴的です。最先端テクノロジー企業が、新社屋として選んだのが、既存の建物の改修だったことが審査員を感心させました。
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Large workspace interior of the year: Dyson Global HQ, St James Power Station by M Moser Associates. Photo courtesy of Dyson

Small workspace interior of the year: The F.Forest Office by Atelier Boter
台湾の漁師町のコミュニティセンター、The F. Forest Officeは、広さわずか53㎡のハイブリッドダイニング兼イベントスペースです。全面を合板で仕上げた温かみのある空間は、カーテンによって仕切ることができます。ワークスペースや本棚があるイベントスペースの奥には小さな小部屋があり、キッチンと繋がっています。昔ながらの漁師町に違和感なく溶け込み、低予算ながらも美しくモダンな空間が完成されていることが評価されました。
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Small workspace interior of the year: The F.Forest Office by Atelier Boter. Photo by James Lin

Large retail interior of the year: Deja Vu Recycle Store by Offhand Practice

上海の3階建ビルの1階と2階に入るリサイクルショップ、Deja Vu Recycle Storeは、リラックスしたショッピング体験の提供を目指して、グローサリーショッピングの空間を再現しました。スーパーで野菜やフルーツが陳列されているように、洋服や本が並べられています。石の端材からできた緑のモザイクタイルが窓枠やディテールに使われ、空間のアクセントとなっています。無駄なものを省いたシンプルかつ落ち着きのあるデザインが高く評価されました。

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Large retail interior of the year: Deja Vu Recycle Store by Offhand Practice. Photo by Hu Yanyun

Small retail interior of the year: Monc by Nina + Co
アイウェアブランドMoncの新店舗は、バイオマテリアルを活用した画期的なデザインです。商品のメガネもバイオアセテートを用いて作られており、それらがコーンスターチや菌糸体を主原料にして作られたディスプレイ棚に並びます。長い鏡の支えは、地元で出た廃棄コンクリートのブロックを使用しています。販売している商品とインテリアのデザインコンセプトが一貫しており、サステナブルな素材の利用を促す意義ある試みでもあります。
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Small retail interior of the year: Monc by Nina + Co. Photo courtesy of Nina+Co

Leisure and wellness interior of the year: Barlo MS Centre by Hariri Pontarini Architects

多発性硬化症患者のためのクリニック Barlo MS Centreは、耐久性とアクセシビリティを重視して作られました。視力や認知能力の低下、疲労感、協調障害を経験する患者のため、特徴のある色や素材、テクスチャー、照明を駆使し、クリニックにありがちな無味乾燥な空間の再考を提起しました。メンタルケアも含めたヘルスケア空間の在り方に一石を投じるプロジェクトとなりました。

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Leisure and wellness interior of the year: Barlo MS Centre by Hariri Pontarini Architects. Photo by A-Frame Photography

Civic and cultural interior of the year: Ecole Camondo Méditerranée by Émilieu Studio
Camondo Méditerranée design schoolは、フランスのトゥーロンにある大規模な学びの空間です。地元調達の素材のみで作られ、端材で作られた家具は、束ねたり、移動したり、屋外空間で使用したりと、多様な展開が可能です。デザイン教育に最適な柔軟性のあるオープンな環境を創出した点が高く評価されました。
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Civic and cultural interior of the year: Ecole Camondo Méditerranée by Émilieu Studio. Photo by Antoine Huot

Small interior of the year: Relaxing Geometry with Pops of Yellow by Van Staeyen Interieur Architecten
ベルギーのアントワープにある住居で使われなくなっていた屋根裏スペースが、アーチの門やカーブの多い家具、そして鮮やかな黄色のアクセントで生まれ変わりました。多機能スペースとして再生された屋根裏部屋は、遊び心のあるデザインが、空間を楽しく愉快な気持ちでいっぱいにしてくれることを証明しています。
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Small interior of the year: Relaxing Geometry with Pops of Yellow by Van Staeyen Interieur Architecten. Photo by Jochen Verghote

Dezeen Awards 2022 の審査と今後のスケジュール

今回の受賞作品は、Dezeen Awardsの国際的な審査団によって決定されました。審査員には、パリを拠点に活動する建築家・デザイナーのIndia Mahdavi、ギリシャ人ファッションデザイナーのMary Katrantzou、上海を拠点に活動する建築家のRossana Hu(Neri&Hu)、そしてDesign Haus Libertyの創設者Dara Huangなど、デザイン界のビッグネームが名を連ねています。すべてのカテゴリー賞受賞作品の中から、それぞれの部門の最優秀賞が選ばれます。部門の最優秀賞の発表は、2022年11月29日にロンドンで開催されるアワードイベントにて行われます。