コッパーの素朴な色と質感によるミニマルなディテール

アンティークの風合いを醸し出すトレンド色のコッパーをディテールに効かせた、スザンナ・コッツ・インテリアデザインの「コッパーハウス」。コッパー(銅)のアース系の色味とテクスチャーが、ミニマルなデザインで更に強調され、温かみと安心感を与える。テーブルの脚から引き出しのレザー、ブレクファストバーに拵えたシンメトリーな装飾まで、全てがジュエリーを連想させるファッショナブルなデザインだ。かの有名なイームスの名言を借りると、「ディテールがデザインを作っている」プロジェクトなのだ、とスザンナ・コッツは言う。

adf-web-magazine-susanna-cots-home-copper8

Photo credit: Susanna Cots Interior Design | Mauricio Fuertes

光あふれる明るい空間

元々、豊かな自然光で溢れる空間だった室内。これを活かすため、屋外へと開け、一体化するようなインテリアデザインを心掛けた。一年中外と繋がり、季節を感じられるようなデザインとなっている。

adf-web-magazine-susanna-cots-home-copper12

Photo credit: Susanna Cots Interior Design | Mauricio Fuertes

adf-web-magazine-susanna-cots-home-copper15

Photo credit: Susanna Cots Interior Design | Mauricio Fuertes

白のバランス

デザイナーの代名詞である「白」。この白が、コッパーのトーンやアース系の色味、レザーのテクスチャー、スザンナ・コッツのカスタムメイドの家具など、様々なディテールから生まれる陰影を落ち着かせる役割を果たしている。キッチンやバスルームも同様に、コッパーのディテールを白でまとめることで、落ち着いた雰囲気となっている。

adf-web-magazine-susanna-cots-home-copper6

Photo credit: Susanna Cots Interior Design | Mauricio Fuertes

adf-web-magazine-susanna-cots-home-copper13

Photo credit: Susanna Cots Interior Design | Mauricio Fuertes

オーク

上階のふたつのスイートルームは、オークの木で温かな品のある空間が演出されている。ベッドルームの暖炉と小さなデスクが埋め込まれたオークの壁には、1階のオフィススペースと同様のコッパーを使用したディテールが施されている。

adf-web-magazine-susanna-cots-home-copper3

Photo credit: Susanna Cots Interior Design | Mauricio Fuertes

ディテールを完璧にする家具

居間の中央に置かれた存在感のあるソファは、スザンナ・コッツがデザインしたもので、イタリアの家具ブランド「Flexiform」が製作。その他にも、ブレクファストバーにマッチするようにデザインされた机、引き出しのディテール、キッチンの布張りのスツール、ふたつの核家族が使うためのふたつのシンク、ランプとマッチした蛇口、ヘッドボード(ベッドの頭板)とジュエリーキャビネット、タオルラック…すべての家具は、ひとつの目的のもとにデザインされている。家での「ウェルビーイング」である。生活する全ての人のリズムを尊重し、自然の知恵を織り込んで完成させた、「ウェルビーイング」のための空間である。

adf-web-magazine-susanna-cots-home-copper7

Photo credit: Susanna Cots Interior Design | Mauricio Fuertes

adf-web-magazine-susanna-cots-home-copper19

Photo credit: Susanna Cots Interior Design | Mauricio Fuertes

adf-web-magazine-susanna-cots-home-copper9

Photo credit: Susanna Cots Interior Design | Mauricio Fuertes

スザンナ・コッツについて

バルセロナを拠点に活躍するデザイナー。彼女の、照明や自然、環境と感情がリンクする独特の空間づくりは、ウェルビーイングとマインドフルネスを意識したものである。2001年、スペインのカタルニアにスタジオを立ち上げ、国際的なキャリアを積んだのち、2014年に香港で2つ目のスタジオをスタートさせる。デザインと精神的なウェルビーイングへの熱心な研究の末、ブランド「The Eleven House」を立ち上げる。20年以上のキャリアの中で、ドイツデザインアワード(2020)、Luxury Lifestyle Awards and the Lux Life(英国、2017・2018)、Idea Top Awards(中国、2012・2013)など、数々の賞を受賞している。30カ国以上で出版物に掲載されたり、デザインの専門家として大学などで登壇するなど、国際的な評価も高い。