湖畔のレジデンス・オフィス
1628 .Incによって設計されたS-Pace 1628プロジェクトは、カナダ マゴグのメンフレマゴグ湖のすぐそばに位置し、建築事務所のオフィスと、そのリーダーの住居としてつくられた。軽快で彫刻的、かつ連続的な屋根が建物を覆うように、すべてのボリュームを統合している。この屋根は周囲の丘陵を思わせるような特徴的で調和のとれた外観を与え、内部にも多くの天井がこの特徴的な形でユニークな空間を作り出している。
コンセプト
このプロジェクトの目的は、2つの主要な機能が絡み合いながらも分離して自律できるような調和のとれた建物をつくることであり、イースタン・タウンシップのこの特別な区域には、すべてが調和する必要があった。また、オーナーにとっては自分たちの活動のほとんどを1つの場所に集めることで、毎日の移動を最小限に抑えて快適な環境を最大限に活用することができる。
容積率
建物はアイボリー色の石造りの3つのボリューム(オフィス、住居、ガレージ)で構成され、メインロビーや階段などの回遊空間と、多目的ルームのハイブリッド空間によって相互に接続されている。住居のボリュームは白いメタリッククラッドで覆われ、薄い屋根はすべてのボリュームをつなぐアーティキュレーション・サーフェスとして機能している。素材は淡い色調のものを使用し、周囲の建築環境と調和する軽やかな佇まいとなっている。
内部空間
内部空間はフレキシブルなゾーンに分割されている。オフィスエリアはメインエントランスの近く、建物の北端に配置し、リビングやプライベートな空間はプロフェッショナルな活動から離れたもう一方の端に配置。境界線を決めずに、仕事と生活の領域が絡み合い交差しながらも、自律的に分離できるように設計されている。また、引き戸やパーティションによって、用途に応じた空間を変化させることもできる。
オフィスエリアはメインロビーから直接アクセスでき、このエリアでは高いアーティキュレーション天井のある広々としたオープンスペースが特徴である。窓は西側に集中し、湖の景色を眺めることができる。パティオドアは屋外と直接つながっており、空間を仕切るのはスクリーンだけとなる。多目的ルームでアクティビティが行われているときでも、オーナーは住宅地を通らずに直接アクセスすることができる。
住居兼オフィスの拠点となる多目的ルームでは、レセプションや展示会を開催したり会社の会議室としても利用できるように設計されており、エントランスの前庭から高さ4mのスチール製の扉で直接アクセスができる。東側からの採光を確保し、敷地内の木立に面している。また、西側にはメイプル材の開閉式パーティションが2枚あり、住居のリビングルームとのつながりを閉じることができ、あらゆる用途に対応できるフレキシブルな空間となっている。大型のミーティングテーブルはモジュール式で伸縮可能なため、簡単に取り外して部屋を解放することもできる。
1628について
フランソワ・パレントゥとアニー・シャレストによって1998年に設立された1628 Inc.は、建築、デザイン、庭園設計の分野におけるクリエイティブファーム。以前はCharest + Parenteauとして知られていたが、2022年以降新しい事業体とともに成長を続けている。同社の介入は施設、住宅、商業、工業の各分野に及び、実務と並行して会社の絶え間ない進化を保証するために、研究開発に多大な資源を投入している。また、内部構造の多様性により、国内外でのプロジェクトに参加することが可能で、国際的な建築・デザインコンペティションでの受賞により、世界的に高い評価を受けている。