住宅や生活サービスと新たな公共広場を組み合わせた都市空間

カルガリーの17th Avenue SW沿いに長年残されていた、十分に活用されていなかった敷地。市内でも重要な歩行者動線の一つであるこの通りに生じていた都市的な空白に対し、「Broadway on 17th」が3棟の住宅タワーに店舗、食料品店、デイケア、共用アメニティ、新たなシビックプラザを組み合わせることで応答した。Zeidler Architectureが手がけた。

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Photo credit: Zeidler Architecture Inc.

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Photo credit: Zeidler Architecture Inc.

単独の住宅複合施設として完結するのではなく、周辺の都市組織を延長する存在として計画されたことが、このプロジェクトの特徴。17番街とのつながりを再構築するとともに、日常的な活動から大規模なコミュニティイベントまでを支える、新たな公共の目的地を形成している。

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Photo credit: Zeidler Architecture Inc.

開発の中心となるのは、ゆとりある公共広場と、敷地内部を通り抜ける歩行者ネットワークである。街区内部に設けられた歩行者動線は、通りの活動を敷地内へと引き込み、人の移動や交流、偶発的な出会いを促す空間を生み出している。こうして形成された公共空間は、居住者だけのための付加的な施設ではなく、地域の一部として機能することを意図している。

プロジェクトの重要な要素となるのが、多層的なポディウムだ。高密度開発における従来型の基壇を、公共空間を垂直方向へ拡張する空間として捉え直している。店舗、食料品店、デイケア、居住者向けアメニティをポディウム内に立体的に配置することで、時間帯によって異なる活動を生み出し、広場と周囲の建物との関係を強めている。

広場を見下ろすテラスや共用スペースは、居住者と周辺地域との視覚的なつながりを生み出す。この構成によって、広場は単なる地上レベルのオープンスペースではなく、上階の建物と視覚的・社会的につながる「市民のための部屋」として機能する。

さらに、断面的な構成によって歩行者の活動を地上レベルだけに限定せず、複数階にわたる公共・半公共空間へと広げている。多様なレベルに人の活動を配置することで、より豊かな歩行者体験を生み出し、カルガリーの気候においても年間を通じた利用を支えることを目指した。

建物のボリュームも、ストリートとの関係を軸に形づくられている。17番街沿いには明確な都市の輪郭を形成するストリートウォールを設け、そこから3棟の住宅タワーが立ち上がる。タワーは敷地を縁取ると同時に、周辺地域のスケールに応答している。

レンガ造のポディウムは、沿道の歴史的な街並みに溶け込みながら地上レベルで展開される活発な都市活動を支える耐久性のある基盤を形成。その上に立つ3棟のタワーは変化に富んだスカイラインを生み出し、ベルトライン地区とミッション地区の東側の玄関口として存在感を示している。

ポディウム、広場、タワーが一体となることで、カルガリー中心部とインナーシティ地区の間に新たな都市の境界領域が生まれた。「Broadway on 17th」は、住宅密度を高めるだけでなく、公共空間や日常生活を支える都市インフラへの投資を組み合わせることで、都市の成長を地域の質へと結びつける可能性を示している。

住宅、生活に必要なサービス、柔軟な交流空間を一つの開発に統合することで、17番街が年間を通じて人々を引きつける都市の目的地へと変化していく動きを後押しする。個々の建築物をつくるだけでなく、通り、公共空間、居住者、そして都市全体のつながりを強化する——「Broadway on 17th」は、建築が担いうる都市づくりの役割を示している。

Zeidler Architecture

社会とのつながりを育み、卓越性を追求し、長期的な価値をもたらす、受賞歴あるカナダの設計事務所。好奇心を原動力に、エビデンスに基づく設計を実践しながら、サステナビリティ、アクセシビリティ、デザイン理論、素材の可能性を追求し、革新的なアプローチを取り入れている。クライアントや地域社会と緊密に協働し、人々のつながりを育み、ウェルビーイングを促進するとともに、長期的な効果をもたらす、レジリエントな環境の創出に取り組んでいる。