金沢・香林坊に蒸溜所併設のブティックホテル「香林居」がオープン
金沢の名所、兼六園や21世紀美術館にも程近い香林坊において、ブティックホテル「香林居(こうりんきょ)」が2021年10月に開業する。古くから九谷焼をはじめとする世界の工芸品を扱うギャラリー・眞美堂のビルをリノベーション。もとの建築にある特徴的な意匠のアーチをモチーフにした内装と空間演出が施されている。
古来さまざまな漢詩で詠われている紹興の美景地区であり、宗教と民俗が融合した理想郷的な意味をもつ「香林」。この言葉を冠する「香林坊」という土地は、かつて還俗し薬商を営んだ僧侶の名に由来する。そんな背景をもつこの街には、兼六園や21世紀美術館などの美に対する偉大な存在が間近にあり、時代を超越して美の集積地となっている。
自然、文化、歴史といった地域の資源が滲み込み、東洋世界における美の在り方、そしてその処方を試みる宿泊空間として、香林居は誕生。「香林居」のネーミングにある”居” とは、そこにあること、構えること、振る舞うことを意味する。美の集積地としての歴史性を継承する香林坊の地に、居る。宿泊、飲食、処方体験など、新しい金沢時間を処方する場所を意味している。
白山水系の恵みをホテル内の蒸溜設備にて精製
石川県・白山を拠点に活動する「アースリング」と提携し、1Fに併設された蒸溜設備で精油の精製を行う。蒸溜には、白山の水と森林素材を使用。同じく白山の水を使用した「水」および「透明性」をコンセプトに掲げる独自ブランド「Petricol(ペトリコール)」の製品を1Fのショップにて販売する。Petricolの製品は、アメニティとして各客室でも利用できるほか、蒸溜の過程で生じた芳香水は10Fルーフトップサウナ&バスのアロマウォーターや、客室常備のリフレッシャーなどにも活用している。また、小型蒸溜機によりゲストが直接蒸溜を楽しめる機会も用意する。
金沢の風を感じるルーフトップサウナ&バス。1F奥には北陸地方において初となるフローティングも導入
ルーフトップにはサウナ&バスを用意。1Fの蒸溜機から抽出されたアロマウォーターを使った本格ロウリュを楽しめる。また、北陸地方において初となるメディテーションフローティングも導入。光や音が遮断された空間で浮遊する深い瞑想状態が体験できる。いずれも宿泊ゲストだけでなく、通常ゲストの予約受付も予定。
四知堂kanazawaプロデュースのタイワニーズ・キュイジーヌ『karch』を開業。客室内のアート・ディスプレイもキュレーション
リノベーション以前から印象的な存在だった半地下空間には、タイワニーズ・キュイジーヌ「karch(カーチ)」が開業。プロデュースを手掛けるのは、金沢を拠点に活動する「SKLO(スクロ)/ 四知堂kanazawa(スーチータンカナザワ)」の塚本美樹。塚本は、客室内に設置する日用品の監修も行なっており、世界各地のヴィンテージ品からモダンプロダクトに至るまでさまざまな美品をキュレーションしている。
「mitosaya 薬草園蒸留所」との共同開発、香林居オリジナル蒸溜酒「オー・ド・ヴィー」
石川県・白山のクロモジを原材料に使用した香林居オリジナルのオー・ド・ヴィーを「mitosaya 薬草園蒸留所」とのコラボレーションのもと開発。爽やかで透明感のある香りをもつオー・ド・ヴィーは客室内ミニバー、および1Fショップにて販売を予定。
村田晴信が制服・館内着をデザイン
ホテルの制服と館内着は「JIL SANDER」のウィメンズデザインチームに所属した経験を持つ「HARUNOBUMURATA」デザイナーの村田晴信が担当。
「香林居」概要
オープン | 2021年10月1日 |
住所 | 石川県金沢市片町1丁目1-31 |
客室数 | 18室(地下1階、地上10階) |
館内施設 | 客室 / レストラン / ショップ / フローティング / ルーフトップサウナ&バス |
公式サイト | https://www.korinkyo.com/ |