ミラノサローネ期間中、ADF、ミラノ建築家協会、GARDEとともに受賞作品の合同展示を開催
NPO青山デザインフォーラム(ADF)が主催する、世界の建築家を対象にしたアワード「ADFデザインアワード2024」審査結果が発表され、最優秀賞作品とカテゴリー優秀賞作品が決まりました。最優秀賞は、 アンヘル・ボレーゴ・クベロ / Angel Borrego Cubero(Office for Strategic Spaces)に送られました。優秀賞は山下貴成+カン・ヨンア(山下貴成建築設計事務所)、並びに、羽村弘+羽村祐毅(NOA環境設計)に決まりました。各受賞者の皆さま、おめでとうございます。
本アワードは、建築・デザイン業界の世界的著名人5名を審査員に招いた、賞金総額50,000米ドルの大型デザインアワードです。受賞者には2024年4月16日から始まるミラノサローネ期間中、ミラノでのアワード授賞式出席やミラノ建築家協会が主催するミラノ工科大学の卒業作品アワードとインテリアデザイン会社GARDEと共同での作品展示の機会が設けられております。この機会に、本アワードに応募された方々と運営をサポートしていただいた全ての方々に改めて御礼を申し上げます。
「ADFデザインアワード2024」受賞者
最優秀賞者: アンヘル・ボレーゴ・クベロ Angel Borrego Cubero / Office for Strategic Spaces(スペイン)
カテゴリー: レジデンス
作品名: ラ・カルボネリア(タラゴの家)
アンヘル・ボレーゴ・クベロは、アワード受賞歴のある建築家、教育者、研究者であり、スペインを拠点とするOffice for Strategic Spacesを率いる。OSSは、建築、エネルギー、サステナビリティの批評的かつ建築主導のバランスを追求するプロフェッショナルな仕事、データに基づいた社会参加を追求する独自の研究、より包括的な都市計画と不動産市場を追求する独自の研究とを組み合わせている。主な築物は、バルセロナの歴史的建造物「ラ・カルボネリア」、クリエイティブ産業センター「ファクトリア・カルチュラル・マタデロ・マドリッド」など。研究プロジェクトは、都市生活を向上させる先進的な温室「アーバン・スペース・ステーション」、戦後の集合住宅の革新的な再生に取り組む「パンプアップ・ハウジング」、建築コンペの舞台裏を描いたドキュメンタリー「ザ・コンペティション」など。
優秀賞: 山下貴成 + カン・ヨンア / 山下貴成建築設計事務所(日本)
カテゴリー: ホスピタリティー
作品名: 高嶺の森のレセプション
山下貴成(やました たかしげ)
1980年福岡県生まれ。2002年東海大学工学部建築学科卒業、2005年東京藝術大学大学院美術研究科建築専攻修了の後、2005年から2015年までSANAA勤務を経て、2015年山下貴成建築設計事務所設立。現在、京都芸術大学、神奈川大学、千葉工業大学、Taylor’s University 非常勤講師。日本建築学会作品選集 新人賞、山梨県建築文化賞 奨励賞、日事連建築賞 優秀賞、Bauwelt Award 最優秀賞、Architecture Asia Awards for Emerging Architects 金賞、Taipei International Design Award 銅賞など、多数受賞。
カン・ヨンア
1985年韓国生まれ。2009年University of Toronto建築学部卒業、2011年University of Pennsylvania 大学院で学んだ後、SANAA勤務、2016年Architectural Association School of Architecture DRL修了を経て、2017年より山下貴成建築設計事務所。現在、東京デザイナーアカデミー、Taylor’s University 非常勤講師。主な受賞歴に、SDレビュー2022、東京建築賞 奨励賞、JIA優秀建築選、Taipei Design Award 優選など。
優秀賞: 羽村弘 + 羽村祐毅 / NOA環境設計(日本)
カテゴリー: コマーシャルオフィス
作品名: 旭陽電気韮崎工場
羽村弘
NOA環境設計、代表取締役。山梨県生まれ、日本大学理工学部建築学科卒業。1983年、NOA環境設計設立。
羽村祐毅
1985年、山梨県生まれ。2010年京都大学工学部建築学科 高松伸研究室卒業。2011年〜2013年、Herzog de Meuron(スイス、バーゼル)。2013年よりNOA環境設計。
主な受賞歴(NOA環境設計)は、山梨県建築文化奨励賞(1997年)、安藤忠雄 審査コンペティション「透明な家」入賞(2010年)、日本ギリシャ国交 110 周年記念大使館助成事業 ”Organic Architecture” 選出 / Athens, Greece(2010年)、 “The Architecture Foundation Masterclass” 選出 / オックスフォード大学(2016年)、日本建築学会第39回東北建築賞特別賞受賞(2019年)、iF design award 2024受賞など。
「ADFデザインアワード2024」概要
ADFデザインアワード2024のテーマは「建築のデザイン」。見た目の美しさだけでなく、設計のプロセスが独創的で斬新な建築作品、建築物が人間にとって有益、環境に配慮した建築作品、建築デザインの新境地を拓く挑戦的な建築などが求められました。世界の注目を浴びる『ミラノサローネ国際家具見本市』の会期中、ADFはミラノのフォーリサローネにて会場を設営し、受賞作品の展示を行います。さらに東京・青山のADFギャラリースペースにおいて作品展示も予定しております。
審査員
- エマヌエーレ・スタムリ Emanuele Stamuli / Stamuli AB
- フェルナンド・メニス Fernando Menis / 建築家(スペイン)
- ロレンツォ・ビニ Lorenzo Bini / ミラノ建築家協会および財団評議員 (Member of the Council of the Order and Foundation of the Order of the Architects of Milan)
- スージー・アネッタ Suzy Annetta / Design Anthology 編集⻑
- ウィリアム・ポッツ William Potts / NR2154
審査基準
- 美しさ : 形状・色彩・ディテール・素材選定に芸術的な価値がある。
- イノベーション : 社会変化に対応し、新素材を使用して革新的な建設プロセスと先駆的なデザインを採用している。限られた条件の中でイノベーションを起こすことにチャレンジしている。
- 有益性 : 建築物が使用するユーザーや環境に配慮し、有益であり、持続可能な建築物である。
- 地域性 / 文化性 / 時代性 : 地域との融合と差別化、表面的な美しさが時代的で文化的背景に適合している。
賞金
- 最優秀賞:30,000米ドル(全カテゴリーより1作品)
- 優秀賞:5,000米ドル(全カテゴリーより2作品)
アワード募集カテゴリー
- ホスピタリティ : ホテル・カジノ・テーマパーク・パビリオン
- コマーシャル&オフィス : ショッピングセンター・デパート・オフィスビル
- 集合住宅:個人住宅、インテリア以外
- 教育とスポーツ : 学校・研究施設・スタジアム
- 文化的建造物 : 劇場・図書館・博物館・美術館・ギャラリー・病院
- 公共建築 : 政府および市⺠の建物・空港・駅・港