ノルウェーのモスに折り紙をイメージしたランドマークが誕生

ノルウェーの町モスに、デンマークを本拠とする建築設計事務所AARTがHöegh Eiendomと手がけた、新しいランドマークとなる建物が誕生した。当地の製紙産業の歴史をオマージュした紙のようなデザインのこの複合施設は、採光に優れ、青く輝くフィヨルドを一望できる。

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The Paper House from street level. Photo credit: AART

折り紙をイメージした、シャープなラインのファサード。内側に入り込んだ窓の効果もあり、明るく、軽い印象を与え、まるで建物が浮いているかのような錯覚に陥ります。突き出した床面により、階層の区別が強調され、各戸が独立しているように見えます。

建築家 Solveig Lee Folling Larsen 

モスンデット海峡のかつて工業地帯だったVerketの新地区に位置するこの「ペーパー・ハウス」は、すべての階からフィヨルドの絶景を望むことができるよう設計されている。また、内側に入り込んだ窓で、過度な露出を避け、プライバシーを確保している。

 2階から7階は46~119㎡の住居が34戸、1階にはカフェや店舗が入り、地域に溶け込む作り。また、各戸のバルコニーやグリーンハウス、キッチン、ラウンジ付きの共用ルーフバルコニーは、生活の幅を広げる手助けとなる。

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The Paper House with its own roof top terrace has a scenic view of the Norwegian fjord. Photo credit: Eve Images

ルーフガーデンは、住人が集う場所となり、家庭菜園や住人同士の交流を楽しむことで、地域の一体感を生み出すことができます。

-建築家 Solveig Lee Folling Larsen

建築配慮型建物の評価指標であるBREEAMから、「very good」の評価を得ているPaper Houseは、社会性や審美性だけでなく、環境に配慮したサステイナビリティの高い設計となっている。

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The roof top terrace has a greenhouse for the residents to enjoy. Photo credit: Eve Images

AARTについて

デンマークを代表する建築設計事務所で、コペンハーゲン、オスロ、オーフス、ストックホルムにオフィスを構える。オスロのヴァイキング船博物館の改修、ルンドにあるスウェーデン最大規模の大学の建設、デンマークのCold War Museumの建設など、北欧を中心に、コミュニティの形成や活性化に貢献している。

プロジェクト概要

所在地ノルウェー、モス
タイプ複合施設(住居/商業)
延床面積4,000 sqm
工事進捗建設中
建築デザインAART