プロジェクト概要
公益財団法人石川文化振興財団が、岡山に現代美術アーティストとアーキテクト(建築家)が一つの建築作品をつくるA&Aプロジェクトの第一弾としてスタートした、2つの宿泊施設「A&Aリアムフジ」と「A&Aジョナサンハセガワ」が10月より宿泊を開始した。
A&Aプロジェクトは、岡山市内の歴史文化ゾーンおよびその周辺に、世界的に活躍する現代美術アーティストと日本人建築家がタッグを組んで宿泊施設を作っていくプロジェクト。建物は1棟建てのプライベートタイプとなっており、今後20年をかけて増えていく予定だ。A&Aプロジェクトのディレクターには、ギャラリストの那須太郎、アドバイザーに建築家の青木淳を迎え、石川文化振興財団理事長の石川康晴がプロデューサーを務める。2019年9月27日より幕を開けた岡山芸術交流2019をはじめ、多くの国内外ツーリストが豊かな空間体験を通して、芸術への理解と芸術を楽しめる滞在型都市岡山への発展を目指す。
A&Aリアムフジ(Liam Fuji) ”The Manabe Equation House”
A&Aリアムフジは、NYをベースに制作活動を行っているアーティスト、リアム・ギリックと日本の建築設計事務所、MOUNT FUJI ARCHITECTS STUDIOの両者のコラボレーションによる。岡山産の巨大なヒノキ集成材CLTを田の字に組んだフレームを建築の主要なマテリアルに使用し、シンプルながら立体的で複雑な空間となっている。
A&Aジョナサンハセガワ(Jonathan Hasegawa)
A&Aジョナサンハセガワはジョナサン・モンクと長谷川豪によるプロジェクトであり、岡山の”まちに泊まる”、そんな体験ができる宿泊施設。かつて敷地内にあった建物の形状を再現し、その間に新しい構造体を一つ挿入した構成を取っている。天井が低く落ち着いた雰囲気の寝室、庭と一体化した縁側のようなラウンジ、後楽園を臨む展望台のような浴室と、それぞれが全く異なる個性を持った三つの空間を行き来することにより、異なる視座からのまちなみや、まちの隙間に入り込む光や風を体感することができる。
アーティスト、建築家プロフィール
リアム・ギリック(Liam Gillick)
ニューヨークにて制作、活動。ギリックの作品は、グローバリゼーションやネオリベラルの合意性を枠組みとした場合の、抽象化と建築の視点におけるモダニズムの遺産の機能不全な側面を明るみにする。そして、一つの形式としての展覧会についての構造的な再考というものに敷衍していく。第53回ヴェニス・ビエンナーレにドイツ館代表作家として参加した他、第 10回ドクメンタ、ベルリン・ビエンナーレ、イスタンブール・ビエンナーレなど重要な国際展に多数参加。シカゴ現代美術館、ニューヨーク近代美術館、テートモダンなどで個展を開催。ポンピドゥセンター、グッゲンハイム美術館、ニューヨーク近代美術館など、著名美術館でのパブリックコレクションも多数。
MOUNT FUJI ARCHITECTS STUDIO
2004年に原田真宏と原田麻魚によって設立された設計事務所。建築デザインを中心としながら、東北震災の復興都市計画や、伝統技術を生かしたプロダクトデザインまでスケール横断的なデザイン活動を繰り広げている。その理念に留まらない建築的「質」の高さに定評があり、ほぼ全ての作品が国内外の賞を受賞するなど、世界的な高い評価を受けている。代表作に〈XXXX〉〈Tree house〉〈PLUS〉〈海辺の家〉などの住宅、集合住宅〈Seto〉、教育施設〈知立アフタースクール〉、〈道の駅ましこ〉〈TRUNK HOTEL〉など。LEAF AWARDS (2010及び2014)部門最高賞、JIA 日本建築大賞、JIA新人賞、BCS賞、AACA芦原義信賞、SD Review鹿島賞、RECORD HOUSES 2010、Design Vanguard2009、富士山世界遺産センター公募型プロポーザル二等、 その他、国内外での受賞多数。
ジョナサン・モンク(Jonathan Monk)
1969年英レスター生まれ。現在はベルリンにて制作活動。 1988年レスター・ポリテクニック(現デュ・モントフォート大学)卒業、1991年グラスゴー美術大学卒業。モンクは「完全なオリジナル」を制作することはほぼ不可能であるという考えのもと、一貫して模倣という手法を制作に取り入れてきた。美術の模倣が美術を生むという、美術の生成過程そのものをテーマにする作風で知られる。近年はパリ市立近代美術館、Pinakothek der Moderne(ミュンヘン)、をはじめ国内外で多数展覧会を開催。
長谷川豪
1977年埼玉県生まれ。東京工業大学工学部卒業、同大学大学院修士課程修了。2005年に西沢大良建築設計事務所を経て、株式会社長谷川豪建築設計事務所代表。2005年、SD Review 鹿島賞、2008年、新建築賞など受賞歴多数。2015年に同大学院博士課程修了(工学博士)。ハーバード大学デザイン大学院、カルフォルニア大学ロサンゼルス校、メンドリジオ建築アカデミーで客員教授を歴任。主著に『考えること、建築すること、生きること』(LIXIL出版、2011)『a+u 556 』(2017)など。
予約概要
料金 | 77,000〜165,000円/1泊(税抜・サービス料込) ※料金は時期やご予約のタイミングによって変動します。宿泊ご希望日の詳細料金は予約サイトをご確認ください。 |
予約サイト | https://a-and-a.org/ |
お問い合わせ | info@a-and-a.org |